炎柱 煉獄杏寿郎から考える理想のリーダー像

リーダーは航海で例えると船長のようにチームの目標達成や課題解決のためにかじ取りを行う人物だと広く知られています。
チームにおいてメンバーの能力を見極め、役割を与える。
そのチームが前進するか、曲がるのか、引き返すのか、はたまた沈んでしまうのか。
すべてはチームの一員がリーダーについていきたいと考えるかにかかっているといえます。
リーダーとしての能力・資質・力量・統率力がいわゆる“リーダーシップ”と言われるものです。
かつては“カリスマ的存在”のように特別な人材の身が持っていると考えられていました。
ですが現在では誰しもがリーダーの資質は持っており、訓練することによってその能力を発揮することができるとされています。

つい先日地上波で放送されていた“鬼滅の刃 無限列車編”
鬼滅の刃は週刊少年ジャンプで2016年から4年半連載された漫画です。
全22巻あるコミックスは累計1億部売り上げています。
鬼を殲滅する鬼殺隊という組織には9人の柱と呼ばれるリーダーたちが存在します。
9人それぞれが個性豊かな存在です。
無限列車編では炎柱である煉獄杏寿郎に焦点が当たります。
そんな炎柱煉獄杏寿郎から見る理想のリーダーについて考察したいと思います。

明朗快活で正義を愛する彼はどんな境遇でも歪まない健全な精神の持ち主です。
老若男女問わず誰とでも話すこともできます。
他の柱たちからも否定的な意見は出てこず、ほとんどの柱たちとも打ち解けています。
また努力家で、自身で炎柱の書を読み鍛錬していく事で自分の実力で柱にも上り詰めています。
面倒見もよく、炭次郎たちには
「君たち全員俺の継子になるといい。まとめて面倒を見るぞ」
と後輩たちの面倒見の良さも鑑みえます。

話が進み列車に乗っている乗客の命が脅かされる危険な状況になった時。
どう切り抜けるか焦る炭次郎のもとに駆け付け、
「時間がないから手短に言う」
と端的にかつ正確に指示を出しました。
慌てず騒がず、的確な判断をしたことで乗客たちは全員生存することができました。
煉獄さんと炭次郎が一緒に仕事をするのはこの任務が初めてです。
また炭次郎だけではなく、善逸や伊之助にも的確に指示を出しています。
部下ができることを瞬時に判断し、適所に配置してその場を任せる。
部下の能力を見極め、信頼していることが見て取れます。
そして自分の能力を奢りません。
人より強く生まれてきた自分は弱い人を守るという強い信念があります。
かといって部下のことを未熟なのは当然でありだからといって自分より価値の低い存在だとは見ていません。

胸を張って生きろ。
己の弱さや不甲斐なさにどれだけ打ちのめされようと心を燃やせ。
もっともっと成長しろ。
そして今度は君たちが鬼殺隊を支える柱となるのだ。
おれは信じる。
君たちを信じる。

この言葉からも、部下を励ましつつ、信じていることが見て取れます。
またこの想いは炭次郎たちに確実に引き継がれ、成長のきっかけとなります。
この言葉があったからこそ、彼らは剣士として一回りも二回りも大きく成長することができたのではないかと私は思います。
部下を仕事のできない未熟者とレッテルを張らず、その能力を見極め信じること。
そんなリーダーだったからこそ、部下たちの心の中に熱い情熱となって大きな成長を遂げることができた。
そのように私は感じました。